製品
1.開発
市場ニーズと潮流の変化に対応する開発体制
小型で場所を選ばず、汎用性の高いミニショベルの利用シーンは、一般建築現場・土木にとどまらず、多岐に及んでいます。その結果として市場のグローバル化や多様化などが進み、よりお客様のニーズに根差した開発スタイルが求められています。それを受け、当社では、潮流の変化に即応する開発体制をいち早く確立しました。また、高品質な製品に付加価値を加えた仕様や特徴が求められる中で、世界的な展示会への参加や販売サイドからのフィードバックによるマーケティングを通して、高い機能性・操作性を追求しています。
より付加価値の高い製品開発をめざして
当社では、開発部門者もお客様の要望をヒアリングし、情報収集と検証を徹底しています。画一的大量生産を行うのではなく、多様化するニーズを丁寧に汲み取り、その上で開発を徹底しています。また、新しい需要を喚起する製品の開発にも力を入れています。さらに生産性という観点から、煩雑になりがちな組立工程や部品構成を適正化し、効率的な生産環境の設計を担う「生産設計部門」を設置。ニーズにフィットした新しいミニショベルの開発、「変化より進化」をコンセプトに、より付加価値の高い製品開発をめざします。
環境問題の解決と製品開発を実現する組織へ
大気汚染による排出ガスの規制、化石燃料の枯渇問題に付随する電気エネルギーやバイオ燃料への移行などの環境課題は、今やヨーロッパをはじめとする世界中の国々で重要視されています。私たちは、環境への負荷を抑えるために、ミニショベルの開発における低燃費化・自動化などを推進し、運転支援や自動施工による効率向上で省エネ化を実現していきます。そして、ニーズにフィットした製品開発と環境問題のどちらも解決できる開発組織でありたいと思います。
2.製造
製造の鍵はテクノロジーとマインド
当社は「日立建機グループ」に参画して以来、ミニショベルを主力に応用機・アプリケーションの設計・開発・製造を担ってきました。日立のミニショベルは掘削力に定評をいただいており、現場での作業に大きな威力を発揮するとともに、狭い現場でも活躍できる機種として、乗り心地、使いやすさも含め、国内はもちろん海外からも高い評価と信頼を得ています。最新のテクノロジーと社員のティエラマインドから生まれる、高品質の安心製品を送り出しています。
短納期であらゆる需要に対応できる体制を構築
いわゆる見込み生産ではなく、お客様のご注文仕様に応じて、様々な機種を一台ずつ丁寧にかつ短納期で作り上げるシステムが私たちの生産ラインの特色です。製造リードタイムを短縮するために、生産性向上に取り組むだけでなく、溶接や塗装をはじめとする多くの工程でロボット化を推進。お客様への納期短縮の実現に加え、さまざまなニーズの変化に対応できる磐石な生産体制を実現しました。また製造現場ではよりパワフルな操業を可能にするために勤務体制を一新し、新たな需要に応えられる仕組みも構築しています。
安全・快適な生産環境が品質向上につながる
私たちは開発から製造までを一貫した流れのもとで展開しています。各部門との情報交流を頻繁に行い、乗りやすさ、使いやすさ、作りやすさなど、国内・海外生産拠点(ヨーロッパ、中国、インド他)でのさまざまな現場の声を各部門と共有し、製品づくりに反映しています。さらに生産現場では安全と品質がモノづくりの基本と位置付け、毎朝SQ(セーフティクオリティ)タイムを設けることで、快適な製造現場づくりにも尽力しています。
3.品質
約300項目のチェックを実施
「お客様に違和感なくお使いいただけて、仕事ができる製品を」これが、私たちの品質に対する姿勢です。そのため、客先納入時における出荷検査のみならず、製造の各工程において必要に応じた自主検査項目を設け、インライン検査(作業の前工程を後工程が検査)を徹底し、約300項目ものチェックをクリアした製品だけをお客様のもとへ届けています。
徹底した「世界品質」を国内外へ届ける
海外での製造に力を入れ、現地調達部品の品質保証を徹底していることも、私たちの特色の一つです。工場認定、品質認定のステップを踏み、メーカやサプライヤを厳選します。「ISO9001(品質マネジメントシステム)」に則った維持管理はもちろん、海外拠点とも品質ミーティングを実施し、お客様やディーラーからの詳細な問い合わせにも対応できる体制を作ることで、より多角的なライフサイクルサポートも可能になりました。こうした品質へのこだわりが「世界品質」を実現させています。
多方面から品質と満足度の向上を推進
日立建機グループでは、お客様が所有する機械の稼働時間から位置情報や点検などのデータをWebサービス「Global e-Service」を通じて共有し、トラブルなどにも迅速に対応しています。先端技術の開発・導入により、今まで顕在化されていなかった不満の解消に寄与し、さらなるご満足を提供していきます。また、製品に関わる管理部門も基本技能訓練の習得や各人の意識・スキルの向上を図っており「間違いのない仕事を次に渡す」を合言葉に、多方面から「品質向上」に取り組んでいます。