日立建機株式会社(執行役社長:先崎 正文/以下、日立建機)は、12月1日から22日、環境省が実施した国民公園「京都御苑」(京都府京都市)の駐輪場整備工事において、8トンクラスのバッテリー駆動式ショベルZE85と可搬式充電設備「Go-ENE」をレンタル提供し試行工事に参画しました。
環境省の直轄工事にて日立建機のバッテリー駆動式ショベルが採用されたのは、今回が初めてです。歴史的景観や静粛性が求められる都市部の施工現場であることを鑑み、本試行工事では、充電用電源の確保が困難な条件下において電動建機の運用フローの有効性を検証しました。
日立建機グループは、本試行工事で得られた知見を活かし、環境省や関係各所と連携しながら、公共工事におけるカーボンニュートラル施工の普及・促進に貢献してまいります。
試行工事の背景
日本政府は、2050年までに温室効果ガスの排出を実質ゼロにする「2050年カーボンニュートラル」宣言を表明しています。この目標達成に向けて、「GX実現に向けた基本方針」*1が策定され、建設施工の分野においても脱炭素化が推進されています。本試行工事は、環境省主導のもとで電動建機の運用フローの有効性を検証し、さらなる電動建機の普及・促進を図ることを目的としています。
*1:内閣官房ホームページ「GX実現に向けた基本方針」
日立建機が参画した試行工事の検証内容
1. 充電用電源が未整備のエリアで電力供給フローを検証
充電用電源が未整備の広大なエリアで可搬式充電設備「Go-ENE」を活用し、場所を選ばずに電動建機への充電を行う運用モデルを検証しました。
景観保護などの理由により固定式充電設備の設置が制約されるエリアでも、作業場所近くで充電が可能であり、充電のための移動距離を最小限に抑えられることを確認しました。これにより、充電用電源が未整備の都市部の施工現場においても、可搬式充電設備を用いることで効率的な充電環境を構築できることを実証しました。
2. 静粛性と作業環境の改善効果を確認
内燃機関を持たないバッテリー駆動式ショベルの特性により、稼働時の排気ガスと騒音が軽減されることを確認しました。
静粛性が求められる公園で、来苑者の快適性を維持しながら施工が可能であること、またエンジン音がないため作業員同士の声掛けや合図が明瞭になり、安全性向上にも寄与することを実証しました。
3. 実作業に十分な基本性能と実用性を確認
バッテリー駆動式ショベルが、実作業に十分な基本性能と実用性があることを確認しました。オペレーターからは「積み込み作業のような高負荷作業でも掘削力の低下を感じることなく円滑に作業を完遂でき、都市土木現場における機材として十分に実用的である」との評価を得ました。
試行工事の概要
| 実証期間 | 2025年12月1日~22日 |
| 場所 | 京都御苑内 駐輪場整備工事現場 |
| 発注者 | 環境省 京都御苑管理事務所 |
| 使用機材 | ・バッテリー駆動式ショベルZE85(0.28㎥クラス) ・九州電力と日立建機が共同開発した可搬式充電設備「Go-ENE」 |
| 内容 | バッテリー駆動式ショベルで地面の表面を削り平らにならす「鋤(すき)取り」作業と残土をダンプトラックに積み込む作業を実施 |
関連情報
- 2025年11月20日 日立建機日本トピックス GX建機補助金制度 二次公募のお知らせ
- 2025年9月18日 日立建機日本トピックス GX建機補助金制度対象製品のお知らせ
- 2024年9月12日 ニュースリリース バッテリー駆動式ショベル3機種と可搬式充電設備を国内で販売開始
日立建機について
日立建機は、油圧ショベル、ホイールローダ、道路機械、鉱山機械などの開発・製造・販売・サービスの事業をグローバルで展開している建設機械メーカーです。新車販売事業に加えて、部品・サービス、再生(部品・本体)、レンタル、中古車の「バリューチェーン事業」を拡大し、革新的なソリューションをお客さまに提供するソリューションプロバイダーとして、お客さまと共に成長を続けています。世界に約26,000人の従業員を擁し、2024年度(2025年3月期)の連結売上収益は1兆3,713億円、海外売上収益比率は84%です。詳しくは、日立建機のウェブサイトをご覧ください。
なお、日立建機は2027年4月1日付で商号を「ランドクロス株式会社」に、コーポレートブランドを「LANDCROS」に変更する予定です。
以上
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