日立建機の連結子会社であるブラッドケン社のコインバトール工場(インド・コインバトール)は、2025年6月の1カ月間、工場の稼働で使用するすべての電力を再生可能エネルギー由来の電力でまかなうことに初めて成功しました。同工場では、鉱山現場の選鉱設備に使用されるミルライナー(鋳鋼製の消耗部品)を製造しています。
ブラッドケン社は2022年12月に太陽光発電事業者エナパークグループに、2024年3月に太陽光・風力発電事業者コンティニウムグループに出資しています。これにより、安定的な再生可能エネルギーの利用が可能となりました。今期は年間で85%の再生可能エネルギーの達成を見込んでおり、同社にとって過去最高の見通しです。
再生可能エネルギーの調達は、ブラッドケン社の「Carbon Neutral Roadmap(カーボンニュートラルロードマップ)」の柱のひとつです。これに加え、設備の更新、機器の電動化、業務効率の向上などを通じて、製品製造に必要なエネルギーの削減と温室効果ガス排出の低減に取り組んでいます。
インドでは、急速な経済成長と人口増加に伴い、電力需要が年々高まっています。政府はこの課題に対応するため、再生可能エネルギーの導入を国家戦略の柱と位置づけ、2030年までに電力の約50%*を再生可能エネルギーで賄う目標を掲げています。特に太陽光・風力発電は、広大な国土と自然条件を活かして急速に拡大しており、企業による再生可能エネルギー活用も積極的に進められています。
このような環境の中で、コインバトール工場が再生可能エネルギー100%稼働を達成したことは、インドの持続可能な成長に貢献するだけでなく、日立建機グループのカーボンニュートラルへの取り組みを象徴する成果でもあります。
日立建機グループは2050年までにバリューチェーン全体を通じてのカーボンニュートラルをめざしており、今後も、国内外の生産拠点とグループ会社のすべてで環境に配慮したものづくりを推進していきます。
*出典:IEA World Energy Investment 2025