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 機会があるごとにたびたび申し上げているように、日立建機は今、「第2の創業」にあります。登るべき山ははっきりと見えていて、これからがいよいよ本番です。  簡単に到達できるような頂上ではありませんが、これを社長の先崎とともにリードしていくことにしました。今まさに、新中期経営計画がスタートし、先崎社長はこの3年間、計画を毎月、毎年レビューし、業績に対する責任をしっかりと果たしていくことに専念してもらいます。私はその先、2030年に向けて人財や資金といったリソースをどのように配分するか、ESGのどこに優先順位付けをして取り組むかといった課題に取り組んでいきます。  そして、この「第2の創業」を通じて、真のグローバル化を成し遂げます。米州の建設機械市場は世界の約40%を、マイニングは30%を占める巨大な市場です。今までできなかったことができるようになることで、ビジネスが拡大することはもとより、米州のお客さま、代理店、従業員が新たに加わることで、世界の他の市場でのプレゼンスやビジネスにも波及して拡大していくと確信しています。  米州での独自展開がスタートした直後、オーストラリアに出張した際、非常にうれしい出来事がありました。到着して間もなく、現地の従業員から「(独自展開は)すごくエキサイティングなことですね。我々のビジネスも広がります」というメールが飛び込んできました。  オーストラリアはマイニングの大きな市場ですが、米州でマイニング事業が拡大すれば、マイニング機械の生産台数が増加して全体の収益性が上がりますし、オーストラリアの中古車や再生部品を米州に輸出する機会も増えるなど、米州のビジネスの成果が他の国や地域にも波及していくことが期待されます。オーストラリアの従業員も、米州で活躍することができるのです。このような真のグローバル展開の可能性が、現地の従業員にも伝わっていました。心強い限りです。

 今、世界100カ国以上で約30万台以上の当社製の建設機械・マイニング機械が稼働しています。新車をどんどん生産、販売して稼働台数を増やしていくことが、果たして私たちのありたい姿「豊かな大地、豊かな街を未来へ」の実現につながるのかというと、私はそうではないと考えています。  例えば、30万台の稼働年数をあと5年延長できれば、45万台に相当する作業量を賄えるかもしれません。私たちはその間、お客さまへのサービスを継続することができます。お客さまにとっては、持っている機械をもっと長く使えるようになればうれしいことで、当社にとっても、お客さまの機械が問題なく動いていくことは喜びです。つまり、当社が販売した建設機械・マイニング機械が、どれくらい安定して稼働しているかが大事なのです。機械の稼働状況を把握し、当社が注力するバリューチェーン事業を通じて、お客さまとその現場にきめ細かく修理やメンテナンスを提供し続けていけば、お客さまの機械の安定稼働につながると考えています。当社にとって生産台数は増えていきませんが、それがお客さまにとっての利益となり、サーキュラーエコノミー(循環型経済)の実現にも貢献できます。  モノをつくるにしても、グローバルに販売するにしても、日立建機だけでは何もできません。当社の行いすべてが、ステークホルダーの皆さまとともに行っているのだと深く受け止めなければなりません。その自覚を持って、これからも事業を発展させていくことはもちろん、安全やコンプライアンス、品質などをしっかり遵守していくことをお約束し、その状況を皆さまにお伝えしなければならないと考えています。  日立建機グループには、「Kenkijinスピリット」と呼んでいる行動規範があります。「Challenge、Customer、Communication」という3つの「C」で、この言葉をしっかり忘れずに仕事をしていけば、必ずや「豊かな大地、豊かな街を未来へ」というビジョンに到達していくと思います。当社グループ2万5千人の従業員は常に固く結束し、ステークホルダーの皆さまとともに持続可能で豊かな社会の実現に邁進します。今後の日立建機グループの発展にぜひご期待いただくとともに、皆さまの厚いご支援をお願いいたします。