建設機械づくりの原点
「日本の戦後復興に必要な建設機械を自主技術でつくろう」
技術者たちの思いは、今日の日立建機の技術に脈々と受け継がれています。
日立建機の機械づくりの原点となる機械を紹介します。
純国産技術による日本初の機械式ショベル「U05」
日立建機の本格的な建設機械づくりは、株式会社日立製作所が1949年に開発した機械式ショベルU05に始まります。
先行する欧米の技術に頼らず、純国産技術で完成したU05は、国内の貨車輸送が可能なサイズや日本人の体格に合わせたレバー配置など、ユーザー思考の設計思想で開発されました。当時の建設省に納入された後、東京で開催された「第1回建設機械展示会」で注目を浴びて、合計17台を出荷しました。
1950年に本格的に機械式ショベル「U06」の生産を開始
1950年に株式会社日立製作所がU06を開発、量産を開始。アタッチメントの交換でバックホウやクレーン、ドラグライン、クラムシェルなどとして多目的に使用できる「万能掘削機」として日本を代表する機械式ショベルとなりました。
日本国内の河川改修、ダムや道路の建設など日本の戦後復興でのインフラづくりで活躍する一方で、海外展開にも早くから取り組み、1952年以降、ビルマ(現ミャンマー連邦共和国)やブラジル連邦共和国、スペイン王国などに輸出されました。
油圧ショベルの原型となる「UH03」の開発
油圧ショベルは、1947年頃イタリア共和国で誕生しました。日本では、1961年頃から海外メーカーとの技術提携により国産化が進む中、1965年に株式会社日立製作所は、海外からの技術供与に頼らない純国産技術による油圧ショベルUH03を開発しました。UH03は、当時主流であった1ポンプ1コントロールバルブ方式に対し、自社技術で開発した2ポンプ2コントロールバルブ方式の油圧システムを採用することで、2つの作業を同時に行うことを実現し、操作性を飛躍的に向上、作業量を大幅に増加させました。
この油圧システムは、日立油圧ショベルUHシリーズの礎を築くとともに、世界の2ポンプシステムのデファクトスタンダードとなりました。
土浦工場で実機をご覧いただけます
日立建機のマザー工場である土浦工場(茨城県)には、U05とUH03の実機を展示しています。
UH03は、2011年に歴史的意義のある日本国内の機械技術として認められ「機械遺産」として認定されるとともに、2018年には、独立行政法人国立科学博物館の認定する2018年度「重要科学技術史資料(愛称:未来技術遺産)」の第00249号に登録されました。
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