特集

Vol.129(2019年11月号)

バリューチェーン全体を通して社会課題の解決に貢献する新しい価値を創造

今後、SDGsを競争力強化や事業創造にどう結びつけていくのか。
CSRや環境・社会課題に関する施策を全社統合的に進めるサステナビリティ推進本部に日立建機グループがめざすSDGsのあり方を聞いた。

日立建機 サステナビリティ推進本部 CSR・環境推進室 部長 大平修司/CSR・環境推進室 技師 金麗花/CSR・環境推進室 部長代理 鈴木圭一

(左)日立建機
サステナビリティ推進本部 CSR・環境推進室 部長

大平修司

(中)CSR・環境推進室 技師

金麗花

(右)CSR・環境推進室 部長代理

鈴木圭一

「当社は以前から『社会課題の解決による価値創造モデル』を継続的に推進してきました。SDGsを戦略に取り込むことは、新たな価値を創造する契機になります。2030年のSDGsの達成目標を成長戦略につなげるためにも、今後は具体的な戦略や実行計画のかたちに落とし込んでいくことが重要。SDGsを新たな起爆剤として、ぜひ『勝てるストーリー』を作り上げていく必要がある」(サステナビリティ推進本部CSR・環境推進室 部長 大平修司)。SDGsと成長戦略の関係性をこのように示す。

日立建機がSDGsへの対応において重視しているのが「バリューチェーン」全体での課題解決と価値創造だ。例えば建機の電動化・ハイブリッド化を進めることは、省エネ化・省人化につながり、CO2排出削減に貢献する。しかし、それが建設現場にたった1台導入されるだけでは効果は限られてしまう。そこでConSiteによって複数の建機の稼働状況を管理したり、故障を予知することができたりするシステムの開発にも取り組んでいる。さらにICT技術を活用し、鉱山運営全体を最適化することで環境価値も向上できるソリューションの事業化も進めている。

「当社が原材料を調達し、製品を製造・販売し、それがお客さまに使用され、最終的に廃棄されるまでの長いライフサイクルにおいて、SDGsの17の目標がどのように関わるのか。日立建機はどこで強みを発揮できるのか。バリューチェーン全体で課題解決と価値創造を考えることが重要です。資源の循環的な利用などに貢献できる部品の再生事業を海外で展開すれば、結果的に地域の雇用拡大にもつながります。SDGsの17の目標は、建機を見ているだけでは気付きにくかった社会課題と当社との関係性に気付きをもたらしてくれています」(同本部の鈴木圭一)

「SDGs」はイノベーションの起爆剤であり、グループの求心力

SDGsは日立建機にとって未来のイノベーションのヒントももたらすものだ。同本部の金麗花は次のように語る。「 もし将来的に建機の無人化施工技術が確立され、既存ICT技術との融合により、熟練者でなくても遠隔で操作できるようになれば、子育て中の女性社員が自宅でお子さんと過ごしながら現場での仕事を続けられる可能性すらあります。テクノロジーを通じてジェンダー平等にも貢献する―。そんなイノベーションを生み出せたらすてきですよね。当社は建設機械メーカーという印象が強いかもしれません。しかし2030年より先の未来には、『課題に直面したら真っ先に思い出してもらえる会社』でありたい。これからも社会的課題に真っ正面から挑んでいけば、きっとそんな会社になれるはずです」

もちろんイノベーション創出には、日立建機グループ全体の分野横断的な連携が欠かせない。

「当社の経営規模は拡大を続け、いまや全世界あわせて約25,000人近くの従業員が活躍しています。そんな中で『SDGs』は、各事業部門での連携を行う共通言語になりうると考えています。サステナビリティ推進本部が中心となって、今後もSDGsをビジネスへ取り込んでいきたいと思います」(大平)

ConSite:
日立建機グループのICT、IoTソリューションのひとつ
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