鉱山で使用する、リジットダンプトラックという建機があります。タイヤ直径が3mもある巨大なダンプカーで、日立建機製の特長は電動であることです。私の仕事は、そのシステムが問題なく安全に作動するかを客観的に見極めて、正しく評価することです。最初の配属は車体そのものの評価を下す部門でした。学生時代に電気系を専攻していたこともあり、システム視点を持つ技術者として配属されたのです。車体の評価は経験がものをいう職人気質の世界。システム上で不具合があった時に上司へ説明するのですが、ダンプをほとんど運転したことがない私のような人間だと不具合の説明がわかりにくくなるため、その都度指摘を受けていました。しかし、同じグループのシニアエンジニアの方に助けていただいたのです。その方もシステム評価の理解を得るために苦労していたのですが、周囲から信頼を集めていました。評価方法のポイントを教わり、学生時代の知識も動員しながらシステムに関する議論を通していくことで、上司からもシステム評価を任せられるようになりました。会社では自分一人だと上手くいかないことがたくさんあります。そういうときこそ遠慮なく先輩方の力を借り、経験を積むことが、信頼を得ていく近道だと学びました。