生産技術

生産ラインの安全化と効率化のために、プロセスに加え、ものづくりまで見直す

生産技術

INDUSTRIAL SCIENCE

石川 彰人

石川 彰人

生産・調達本部 生産技術統括部

工場革新プロジェクト

2013年入社

“モノを作る”ためのプロセスすべてを見直す

私は入社してから8年間、生産技術部門で業務を行ってきました。生産技術というのは、工場などの生産ラインの効率を向上させたり、新しい技術を取り入れたりする仕事のことです。最初の3年間は溶接と組立の合理化を担当。中型油圧ショベル製造現場のSQDC(安全、品質、納期、コスト)を向上させるために必要な設備投資や、製造現場と協力して製造設備の安全対策などを行いました。現在は工場革新プロジェクトとして、工場再編レベルの取り組みを行っています。工場の生産ラインを新しく作り替えるのではなく「プロセスそのものを見直しましょう」という仕事です。たとえば、新しい中型油圧ショベル組立ラインの立ち上げにおいては、組立作業スタッフのタスク計画から、必要な設備の企画導入までが私の仕事です。見直しには、実は社内の風通しの良さが求められます。というのもフロー全体を検証する作業になるため、関わる人が工場内だけではなくなるからです。その点、主体的に仕事ができ、いい意味で各部署の壁を感じない日立建機の社内環境に助けられています。周りからのサポートも受けやすく、チャレンジングなことにも取り組みやすいんです。

各部署と連携し、世界初の生産技術を確立

各部署と連携し、世界初の生産技術を確立

仕事のうえで大事にしている価値観は2つあります。ひとつが、これまでのやり方にとらわれず、とことん考えてチャレンジしていくこと。生産技術の革新は、モノづくりを根本から見直す仕事です。新しい設備を開発する上で、どうすれば安全が担保でき、品質が向上し、効率が上がるかを考えます。アイデアを練るところから始めて、求めるゴールに至るまでの技術開発を逆算するわけです。当然、これまでにないものを作るためには、自ずと挑戦の連続になります。そのためにもうひとつ大事にしていることが、チームワークです。私一人が頑張っても、いいモノづくりはできません。ときには製品構造にまで言及しなければならない。違うフィールドの職種の人とも連携しなければならないわけです。たとえば作業の安全化と効率化のために、油圧ショベル組立の自動化を提案しました。そのためには、現場での大規模な実験や製品構造の変更が必要となります。そこで目的を関係各部署と共有することで、同じ意識で取り組めたのです。生産ラインをシンプルな構造にすること、巨大な精密部品のすり合わせ技術を開発、そこに合わせて製品構造も見直すことで、世界初となる油圧ショベル組立の自動化に成功しました。

石川 彰人

世界で一番安全な生産ラインを目指す

個人的に一番嬉しいのが、私が関わった新しい生産技術で誰かの役に立てたときです。油圧ショベルの組立作業では、吊具をその都度付け替えて部品を組み付けするのですが、それが作業員にとっての負担になっていました。そこで汎用性のある新しい吊具を開発し、現場から作業が楽になったと喜んでもらえたのです。さらに作業時間も短縮でき、コスト面でも効果を生むことができました。しかし、残念ながら今の生産ラインは完璧ではありません。私の目標は、作業中の怪我が発生しない、世界で最も安全な油圧ショベルの生産システムを構築すること。生産ラインのポイントごとに安全対策を講じていますが、ケガはゼロになることはありません。ヒューマンエラーもあるなかで、どこまで人に頼らない安全対策ができるかが鍵です。自分が作ったラインで、働いている人にケガをしてほしくありません。生産工場で働く人が毎日安全に作業でき、それぞれがより良いパフォーマンスを発揮できるようにすることが私たちの仕事だからです。労働人口が減っていくなかで、誰が働いても同じものを作れる環境作りがさらに求められていくことでしょう。安全も品質も人任せにしない。この当事者意識こそが、新しいイノベーションを生むと信じています。

世界で一番安全な生産ラインを目指す
石川 彰人
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