私が導入支援しているICT建機は、見た目は普通の建機なんです。この建機を海外、おもにヨーロッパやオセアニアに展開する業務なのですが、現地では知名度があるがゆえに「知っているし、売れるし、サポートもできる」と現地の代理店も思ってしまうところがあるのです。しかし、実際に触れてみるとこれまでにない分野の製品だとわかります。ICT建機にはあらかじめ設計データが入力でき、運転手に施工箇所を伝えるための現場作業や指示スタッフが必要なく、オペレーターひとりで作業できるのです。建機の掘削力は変わりませんが、効率的に作業を進められることから、実質2倍もの仕事ができる可能性があります。その実力をフルに使うためには、元となる設計データを最適化する必要もあり、工事プロセス全体を踏まえる必要が発生する。これまでのように「建機だけを売ればいい」というわけにはいかなくなります。お客さまの本来の課題であるコスト低減や効率の向上を私たちも共有して実現していくために、まず代理店の知識を深めることが求められます。ヨーロッパは日本に先んじて建設現場のデジタル化やFossil Free化が進んでいる地域のため、日立建機もこれまで磨いてきたICT/IoT技術とその運用ノウハウを使って、今まで以上にお客さまの課題に寄り添い、新しい価値を届けていけるかという挑戦を行うため、販売網の確立を考えることになったのです。