私のキャリアは、一貫してホイールローダの開発です。ホイールローダは先端に巨大なシャベルを備えた4輪走行の建機で、車両の大きさごとにチームが分かれています。これまで小型と中型のものに関わってきましたが、なかでも設計業務に携わる機会が多くありました。ホイールローダの開発はターゲット設定が難しいんです。マーケティングを踏まえて行うのですが、昔はその情報共有がうまくいかなかったように思います。今はお客さまが何を求めているかをしっかり盛り込み、競合機のスペックを横にらみしながら、お求めやすい価格で出せることを意識しています。一連の作業のなかで、自分自身が車両に乗って評価することを大切にしています。率先してチャンスとタイミングを作っていくことが大事だと思います。なぜなら、そうしないと見落としてしまう要素があるんです。地に足を付けた検討が不十分で、失敗したこともありましたが、そこから学びを得ることも多くありました。現在はその経験を活かし、ZW-PP5という次期排ガス規制対応モデルの新規開発を担当しています。