開発設計

ユーザーはもちろん売る側の立場も考えながら、多角的な視座で製品開発に臨む

製品開発

DESIGN

武樋 公志

武樋 公志

研究・開発本部 コンストラクション事業部

ホイールローダ製品開発部

2004年入社

ニーズを見据えて臨む、ホイールローダ開発

私のキャリアは、一貫してホイールローダの開発です。ホイールローダは先端に巨大なシャベルを備えた4輪走行の建機で、車両の大きさごとにチームが分かれています。これまで小型と中型のものに関わってきましたが、なかでも設計業務に携わる機会が多くありました。ホイールローダの開発はターゲット設定が難しいんです。マーケティングを踏まえて行うのですが、昔はその情報共有がうまくいかなかったように思います。今はお客さまが何を求めているかをしっかり盛り込み、競合機のスペックを横にらみしながら、お求めやすい価格で出せることを意識しています。一連の作業のなかで、自分自身が車両に乗って評価することを大切にしています。率先してチャンスとタイミングを作っていくことが大事だと思います。なぜなら、そうしないと見落としてしまう要素があるんです。地に足を付けた検討が不十分で、失敗したこともありましたが、そこから学びを得ることも多くありました。現在はその経験を活かし、ZW-PP5という次期排ガス規制対応モデルの新規開発を担当しています。

視野が広がった米国でのチャレンジ

視野が広がった米国でのチャレンジ

日立建機では業種に関係なく、グローバルに活躍できるチャンスがあるように思います。以前にアメリカで、設計代表としてエンジニアリングの部署でブランドの立ち上げを担当する機会に恵まれました。設計の立場で営業やサービスについて会話し、日本との調整を行うんです。言葉の壁もある中での挑戦で、生活の立ち上げから戸惑いの連続でした。国民性の違いにやきもきすることもありましたが、気づきも数々ありました。社交的な点には助けられた反面、時間に対する捉え方が違うなど、大らかな国民性の違いに苦労もありましたが、コミュニケーションの仕方を工夫しながら乗り越えていきました。人種や職種を問わず幅広く付き合えたことで、物ごとを多角的に捉えられるようになったと感じています。たとえば、ユーザー、営業、サービスの技術者それぞれの立場で開発を行うことで、設計目線だけでは思いつかないアイデアが生まれることもあり、その積み重ねが素晴らしい製品に繋がる。技術をこれでもかと盛り込めば使いにくくなり、コストを優先しすぎると機能性や安全性が欠落する可能性もある。独りよがりにならないために、関わる人すべての立場をトレースできる能力が求められるわけです。グローバルに目線を広げられたことで、そういった視野が培われたように感じています。

武樋 公志

付加価値を付けた提案型の製品開発を

現在のホイールローダの用途はおもに土木や農畜産、除雪関係に限定されていますが、今後は新たな分野へも発展させたいと考えています。たとえば自動運転や遠隔操作、AIといったDX技術を駆使すれば、これまでは人がリスクを背負ってやらないと成立しなかった仕事も、ある程度機械に任せられるはずです。より安全かつ効率的に作業が進められることで、増加傾向にある災害時のレスキューや復興などにも役立てることが可能となるわけです。さらにこの先、日本では建設・土木関係の労働者の就業者数が大きく減少していくことも予想されます。しかしDXによって、より少ない人数で多くの機械を稼働させることも可能となるでしょう。たとえば、日本では交通量が減った夜間に除雪作業をしますが、これらの仕事を地球の裏側の自宅からオペレートすることもできてしまうでしょう。これまではお客さまの要求に応える製品を開発してきましたが、新たな市場を取り込むためにも「こんな製品をこんな現場にどうですか?」といった形で提案ができればと考えています。製品開発ではさまざまな視座をもとに付加価値を加えることで、ホイールローダの用途はもっと広がる。今まで以上に日立建機の製品で社会貢献できるようになれば、これ以上なく嬉しいですよね。"結果"が、お客さまが建機などの日立建機が提供するソリューションを通じて生み出す"結果”を、よりよくしていくことに繋がると考えています。

付加価値を付けた提案型の製品開発を
武樋 公志
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