機械工学科で機械制御の研究を専攻していた私は、大型の機械の開発・設計に興味を持ち、就職活動を進めました。そして志望した日立建機に入社し、配属後すぐに希望が通り、新型のホイールローダを開発する一員となったのです。その時にチーム内で私に与えられた役割は、電動モータを使って車体制御をどのようにアシストするのかを数カ月にわたって検討することでした。工事現場では、建設機械の低燃費化が求められています。そこに、私たちは動力をエンジンとモータでハイブリッド化させた新製品で応えようと考えました。
その後、2012年からはハイブリッド技術をいっそう進化させたハイブリッドショベルZH200-6用の、電動モータとPCU(インバータ)の仕様検討を担当しました。旋回時にどれくらいのトルクが必要で、モータにどの程度のアシストをさせるのが適切なのか、試作機から抽出したデータを解析して、最適値を求めていきました。他にも、ハイブリッド化によって新たに必要となった、暖気や冷却の方法についての検討も行なっています。
次に任されたのは、同じZH200-6用のリチウムイオンバッテリの開発業務で、高電圧かつ建設機械の動作や使用環境にマッチしたバッテリの開発が求められました。