2001年にオープンした大阪府和泉市の和泉リサイクル環境公園。約76,000m2の広大な園内には、さまざまな花が咲きほこり、年間を通して多くの方々が訪れる憩いの場となっています。
ここがかつて「産業廃棄物の最終処分場だった」と知ったら驚く人も多いでしょう。
この公園を構想し、整備しているのが大栄環境株式会社です。同社は、1979 年に管理型最終処分事業を目的として和泉市で創業。
草も生えなくなるという住民の激しい反発に対し、埋め立てが完了した跡地を自然溢れる憩いの空間として再生し、地域に必ずお返しするとお約束し、1980年に大阪府第1号の認可を受け、管理型最終処分場を開設しました。
以降、廃棄物処理や資源循環ビジネスを中心に事業を展開し、環境創造企業として成長し続けています。現在では、カーボンニュートラルに向けたバイオガス発電などのエネルギー創造や地域循環共生圏の構築などにも取り組み、すべての事業が社会課題の解決にまっすぐにつながっています。
多様化する産業廃棄物を「資源」に再生
日本では、産業廃棄物のうち約53%がリサイクルされていますが、リサイクル率を停滞させる最大の原因が素材の多様化です。特に、プラスチック系は難しく、ビニールひとつとっても、多数の種類があり、処理の仕方も異なります。
大栄環境グループでは、パートナー企業との連携や研究機関との共同開発、自治体からの協力等も得ながら、マテリアルリサイクル・ケミカルリサイクル・サーマルリサイクルを組み合わせ、それぞれの素材に合わせたより高度でより効率的な資源循環を行うことで、脱炭素社会への実現をめざしています。また一方で、最終処分場も社会にとってなくてはならない資本であり、その建設から運用、跡地利用も含めて、より長期の視点をもって取り組んでいます。
廃棄物から再生されたRPF(※1)やプラスチックパレット
(※1)RFP:主に産業系廃棄物のうち、マテリアルリサイクルが困難な古紙及び廃プラスチック類を主原料とした高品位の固形燃料
大田 成幸氏
大栄環境株式会社 専務取締役
廃棄物処理は、社会にとって必要不可欠な存在として、住民の皆さまをはじめとするステークホルダーとの信頼関係の上に成り立っていると考えています。多様化する廃棄物の再資源化率を高めていくためにも、新しい技術や価値観を取り入れながら革新を続け、社会に恩返しをしていくことが私たちのビジネスの存続意義だと思っています。