水の有効利用
日立建機グループは水資源の有効活用に貢献するため、全社的に事業活動に伴う水使用量(淡水も含む)の削減、水の循環利用を行っています。また水質汚濁防止のため、事業排水の水質を適正に維持管理しています。
生産拠点では、塗装設備の使用水の長寿命化や循環水の利用拡大などの節水対策により、水使用量の削減を図っています。非生産拠点においても、貯水槽を使った雨水の利用などにより水使用量の削減を行っています。
サステナビリティ推進本部を中心とした体制を構築することにより、グループ全体の環境、社会およびガバナンスを統合的に管理・推進し、適切な情報開示を行っています。年2 回開催されるサステナビリティ推進委員会では社長をはじめとする執行役からなるメンバー構成で、気候変動への対応、水使用量削減などを含めた経営判断に関わるESG関連の審議・承認を行っています。
水源種類 | 取水量(千m³) | 基準、方法、前提条件、その他 |
上水 | 471 | 実測値 |
工業用水 | 127 | 実測値 |
地下水 | 667 | 実測値、計算値 |
その他 | 0 |
集計範囲:連結対象の国内外全生産・非生産拠点(2018年度の実績からBradken社を含めています)
日立建機グループでは工場の排水先水域を保護することを重要課題と認識しています。
水質汚濁防止のために、国・自治体で定めている公害防止協定値よりも厳しい自主管理基準値を設け、毎日の水質検査のほか、常時監視できる自動計測装置を設置し厳重な管理体制を整えて事業排水の水質を適正に維持管理しています。また廃水処理システムを採用して排水管理を徹底すると同時に、排水の品質に応じて生物学的処理を導入しています。
BOD、CODの排出量については定期的にモニタリングを実施していますが、それぞれの国・自治体が定めている公害防止協定値を遵守しています。
2019年度 | 2020年度 | 2021年度 | |
BOD排出量 | 3.9t | 4.7t | 5.9t |
COD排出量 | 5.7t | 8.6t | 17.6t |
集計範囲: 連結対象の国内外主要生産拠点
排水先種類 | 排水量(千m³) | 水質(処理方法を含む) | 基準、方法、前提条件、その他 |
河川 | 375 | 各国・自治体の法的放水基準の順守、汚水処理場による浄化 | 実測値、計算値 |
下水道 | 427 | 各国・自治体の法的下水道基準の順守 | 実測値、計算値 |
地下浸透 | 288 | 計算値 | |
廃棄物含有 | 0.5 | 計算値 | |
蒸発 | 3.7 | 計算値 | |
その他 | 0 |
集計範囲: 連結対象の国内外主要生産拠点
水リスクへの対応
日立建機グループでは事業活動の中で水ストレスレベルの高い地域を特定するために、世界資源研究所(WRI)が発表したAQUEDUCT(アキダクト)と世界自然保護基金(WWF)のWater Risk Filterツール、およびローカルデータを用いて、国内外の主要生産拠点の水ストレスレベルを定量化、水ストレスの高い地域を特定しました。
21拠点中、インドネシアと中国にある2拠点が、水ストレスの高い地域となっています。
水資源の有効活用への取り組み
中国の合肥日建机工有限公司では、2014年から工場の地下配管網の漏水部分の調査を開始し、発見された漏水部分を一つ一つ修理しています。また、一部の蛇口使用の取りやめや節水装置の設置により生活用水の使用を削減し、水資源の節約につなげています。これらの施策により、2020年の水使用量は2014年の75%削減しました。
インドのタタ日立社の工場では、貯水池と雨水システムの構築により水資源の有効活用を行っています。事業活動には地下水を使用しています。また、雨水貯留システムで溜まった水を貯水池に移し、日々の活動に 使用しています。地下水を維持するために、水の消費量と貯水量のバランスを取る必要があり、雨水を蓄えるだけでなく地下水を貯水するための池を作りました。
ニュージーランドのブラッドケン社では、屋根の雨水を貯める2基の10,000リットルポリタンクを設置しました。これにより、これまで熱間鋳造の焼き入れ工程で使用していた飲用水道水を雨水で代用できるようになり、水使用量を低減しました。
今後の取り組み
水の循環利用を図るために特に使用量の多い会社を重点に漏水対策や循環再利用率向上などを推進していきます。