Activity3 建設機械で挑む

写真:持続可能な開発と社会課題の解決に貢献する新しい価値の創造へ

マイニングや建設・土木業界を問わず、労働力不足、施工の効率化、施工品質の向上などを背景に、お客様の重要課題である「安全性向上」「生産性向上」「ライフサイクルコスト削減」が求められています。一方で、資源・エネルギー問題や気候変動、貧困問題など、さまざまな社会・環境課題に直面しています。
こうした課題に対応しつつ、世界各地の現場から求められる開発ニーズに応え、持続可能な開発に貢献するソリューションを打ち出していくことは、私たちの使命であると考えています。
日立建機グループでは、2016年4月、新組織「顧客ソリューション事業推進本部」を発足しました。ここでは、日立グループが推進する「顧客協創プロセス」でお客様とともに新ソリューションを創出し、マイニングで培ったソリューションを他業種へと展開します。その際、日立グループの持つビッグデータ解析やクラウドソリューションなどを用いて「One Hitachi」で提供することに加え、日立グループ以外の会社との連携を積極的に活用するオープンイノベーションで、新ソリューションの事業展開を図っていきます。
日立建機グループでは、新たな社会価値を提供し、新たな事業価値の創造(Creating Shared Value)に挑戦していきます。

お客様とビジョン・課題を共有し新たな未来を切り拓く~顧客ソリューション事業本部~

現場の安全性向上の点においては、2012年に全周囲安全確認支援装置「Aerial Angle(エアリアル アングル)」をダンプトラックに搭載(クラリオンと共同開発)、2014年には日産自動車、クラリオンから「移動物検知機能付きアラウンドビューモニター(R)※1のカメラ画像処理技術」の供与を受けました。現在では、油圧ショベルへの水平展開を行っています。
ライフサイクルコスト削減では、建設機械の稼働を遠隔監視するシステム「Global e-Service」を活用したサービスプログラム「ConSite」の浸透を加速。機械の稼働状況や不具合を見える化することで、早期予防保全によるメンテナンスコストの削減を実現します。
そのほかにも、ビッグデータなどの手法を導入して、現場と事業全体の効率化を実現する最適なソリューションを提供し、新たな未来を切り拓いていきます。

※1 アラウンドビューおよびアラウンドビューモニター(R)は、日産自動車株式会社の登録商標です。

図:顧客課題を解決するソリューション

図:情報ネットワーク

ICTを活用して建設機械や現場を取り巻くさまざまな関係者のネットワークを構築し、正確で効率の良いプロセスを提供していきます。

掘削作業を半自動制御して生産性を高める先端的ICT油圧ショベル「ZX200X-5B」

日立建機グループでは、2016年6月より、情報化施工ソリューションの中核となるICT油圧ショベル「ZX200X-5B」のレンタルを開始、11月からの販売を予定しています。「ZX200X-5B」は、日立建機独自のマシンコントロール機能と、オペレータをナビゲートするマシンガイダンス機能を搭載し、国土交通省が推進する「i-Construction」にも対応した製品です。GPSなどの衛星測位システム(GNSS)、フロント、車体の角度センサーから算出する機械の位置や姿勢の3D(3次元)情報を、施工対象の3D設計データと照合しながら、フロント作業をリアルタイムで半自動制御することで、施工目標面を掘り過ぎることなく効率的な掘削が可能。従来の建設現場で行われている丁張りは不要となり、また検測作業の負担も軽減され、工期の大幅な短縮が可能になるとともに、建設現場の安全性や生産性に貢献します。また、2D(2次元)仕様も用意し、小規模な工事や測位衛星を補捉できないような建設現場においても、2Dのマシンコントロールとマシンガイダンスが現場作業の生産性を大きく引き上げます。
ICT油圧ショベル「ZX200X-5B」を中心に、日立グループ、パートナー企業と連携し、3D設計データ運用、IoT、ドローン測量などの先端技術と組み合わせることで、トータルなICTソリューションを実現させ、さまざまなお客様の課題解決に貢献していきます。

写真:ZX200X-5B

ICT油圧ショベルの主な特長(独自技術)

3Dマシンコントロールシステムによる生産性、品質の向上

バケット角度を一定に保って作業を進められる「バケット角度保持モード」を搭載。法面などの仕上げ作業がアームとブームの操作のみで可能となり、経験の少ないオペレータでも熟練者並みの生産性、品質の向上を実現します。

写真:3Dマシンコントロールシステム

小規模工事への情報化施工の導入を実現する2D仕様

2D仕様では、標準機(ZX200-5B)と同様のモニターに、施工表面およびバケットの位置や角度などの情報を表示する「2Dマシンガイダンスシステム」を搭載。小規模な工事や測位衛星を捕捉できないような建設現場においても生産性を大きく引き上げます。

写真:2Dマシンガイダンスシステム

日立グループの総合力を活かしたMining ICT事業化へ

日立建機グループでは、採掘現場で稼働する掘削ショベルやダンプトラックの効率的な稼働をICTで管理する「FMS(Fleet managemet System)」とそのクラウド化など、先端的な情報技術を活用したMining ICT(MICT)の事業化に力を注いでいます。
鉱山では、①出来形・出来高管理システムによる工程の進捗管理、②配車運行管理システムによる機械の運行管理、③周辺車両の監視システムによる安全性の確保など、お客様のニーズに対し、データ通信・データ管理を高度化しながら、マイニングソリューションを開発してきました。今後は、こうしたソリューションを土木・建築・他業種へと展開していきます。
また、鉱山は、採掘現場に加え、精錬工場や製品を出荷する港湾施設、さらに各施設に電力や水などを供給するインフラ設備に至るまで、非常に幅広い施設・設備機械によって構成されています。採掘現場(Pit)から港湾(Port)での出荷まで、すなわち「Pit to Port」のプロセス全体を最適化することが重要です。
今後も日立グループの総合力を有効活用しながら、鉱山マネジメントを革新する新たなソリューションの提供に挑みます。

写真:採掘現場で稼動する建設機械

車体の全周囲安全確認支援装置「Aerial Angle」

クラリオン株式会社と共同で開発を進めてきた全周囲安全確認支援装置「Aerial Angle(エアリアルアングル)」は、建設機械に複数の広角カメラを搭載し、各カメラの画像を変換・合成することにより、機械を中心として上空から見下ろしたような映像を運転席ディスプレイに表示します。映像は、車体を中心とした「ワイドエリア表示」や「クローズエリア表示」、従来のバックモニターシステム画像との「並列表示」など、オペレータの操作により切り替えることができます。これにより、オペレータは他の建設機械やサービスカーとの位置関係など、機械の周囲状況を瞬時に把握することが可能となり、従来以上に安全で快適な操作環境を得ることができます。また、2016年から中型油圧ショベルにもこの装置を搭載しています。
今後、2014年に日産自動車株式会社とクラリオン株式会社から供与を受けた「移動物検知機能付きアラウンドビューモニター(R)のカメラ画像処理技術」などを活用し、周辺の人やモノを検知する機能を付加し、さらなる安全性の向上をめざしていきます。

写真:Aerial Angle

油圧ショベルに搭載した「Aerial Angle」