2015年9月に国連サミットで採択されたSDGs(持続可能な開発目標)は、150を超える国連加盟国の合意による世界共通の目標です。
企業がSDGsに取り組むことは企業価値を向上させるだけでなく、ステークホルダーとの関係強化にもつながります。さらにSDGsの各目標は、日立建機グループの8つの重点取り組みテーマとの親和性が非常に高いものです。そのため、日立建機グループでは、企業活動とSDGsとの関わりを整理し、自社の強みを生かした持続可能な成長戦略として活動を進めています。
2018年度、日立建機グループは事業活動とSDGsとの関係を整理し、10の重点目標を設定しました。SDGsが掲げる17の目標については、日立グループの一員として、すべてに対して直接的・間接的に貢献していきますが、10の重点目標については、事業戦略を通じて達成に大きく貢献できるものと捉えています。
SDGs目標 | 継続している主な取り組み | 期待される効果 | |
![]() |
すべての人に包摂的かつ公正な質の高い教育を確保し、生涯学習の機会を促進する | 【教育支援の活動】 ・教習所での資格取得支援 ・中国の日立建機希望小学校への支援 ・インドの「ものづくり技能移転推進プログラム」 ・ザンビアのインターンプログラム ・カンボジアの自立支援 ・教育につながる建機展への参画 |
将来を担う子どもたち、またはリーダーの育成 |
【従業員への技術・教育取得機会の提供】 ・サクセションプラン(後継者育成計画) ・国際技能競技会の開催 ・サービス・メカニック・コンペティションの開催 |
各自のレベルアップ、国内外の技術レベルの向上が、持続可能な成長に寄与する | ||
![]() |
ジェンダー平等を達成し、すべての女性および女児の能力強化を行う | 【女性の活躍推進】 ・教習所における女性講師の育成 |
女性が高いモチベーションで就業できる雇用環境を整えることで、ジェンダー(男女の性区分)平等を促進 |
![]() |
すべての人々の水と衛生の利用可能性と持続可能な管理を確保する | 【排出抑制と汚染防止】 ・水ストレスレベルの高い地域を特定 ・事業活動に伴う水使用量の削減 ・化学物質の管理(水リスクの低減) |
水資源の持続可能な管理を確保するとともに、水リスクの高い地域での節水活動で地域コミュニティを支援 |
![]() |
すべての人々の、安価かつ信頼できる持続可能な近代的なエネルギーへのアクセスを確保する | 【製造プロセスの環境負荷低減】 ・電力監視システム「EMilia(エミリア)」の導入 |
自主技術を生産の現場に取り入れることで、効率的なエネルギー使用を実現 |
【再生可能エネルギーの活用】 ・太陽光パネルの設置 |
持続可能かつ近代的なエネルギーへのアクセスを確保 | ||
![]() |
包摂的かつ持続可能な経済成長およびすべての人々の完全かつ生産的な雇用と働きがいのある人間らしい雇用(ディーセント・ワーク)を促進する | 【新規事業のグローバル展開】 ・部品再生事業 |
現地人財を採用することで地域雇用の創出に寄与し、経済成長へ |
【事業構造改革】 ・国内開発・製造拠点の再編 |
安全かつ効率的な製造ラインを実現し、ディーセント・ワークを実現 | ||
【働き方改革】 ・労働安全衛生の強化 ・従業員の健康増進 ・ダイバーシティの推進 ・同一労働・同一賃金 ・強制労働・児童労働の根絶 |
ディーセント・ワークの推進で、持続可能な経済成長、生産的な完全雇用へ
※「ダイバーシティの推進」はケースによりSDGs目標5にも関連性あり |
||
【安全・安心な労働環境の促進】 ・コーポレート・ガバナンス ・コンプライアンス ・人権尊重 |
ガバナンスの取り組みにより、組織が強化され企業 価値が向上し、経済生産性が高まる※「人権尊重」はケースによりSDGs目標5にも関連性あり |
||
![]() |
強靭(レジリエント)なインフラ構築、包摂的かつ持続可能な産業化の促進およびイノベーションの推進を図る | 【ICT・IoT技術を生かした製品やソリューションの開発】 ・Solution Linkageの展開 ・無人化・ロボット化技術による省力化機械の開発 |
新たな価値を生み出す革新的な技術開発で、経済発展と人間の福祉を支援し、安全で生産的な労働環境を実現
※「省力化機械の開発」はSDGs目標8にも関連性あり |
【グローバルでのサービス強化】 ・地域販社の設立 |
販路拡大により、その地域のインフラ開発に寄与し、経済発展に貢献 | ||
【リスクマネジメント】 ・BCP(事業継続計画)の策定 ・BCM(事業継続マネジメント)体制の強化 ・強靭な居住地の増加 |
自然災害や人的災害(テロや暴動)など、企業を取り巻くリスクへの対策により、強靭なインフラを整備し、持続可能な産業化を推進
※「強靭な居住地の増加」はSDGs目標11にも関連性あり |
||
![]() |
包摂的で安全かつ強靭(レジリエント)で持続可能な都市および人間居住を実現する | 【建設機械の提供や支援】 ・各国のインフラ整備 ・自治体へのレンタル資機材の供給 |
災害に強い持続可能な都市や居住空間を実現 価値創造ストーリー4 (2019) |
![]() |
持続可能な消費生産形態を確保する | 【バリューチェーン事業の強化】 ・レンタル事業のグローバル展開 |
製品のライフサイクル価値の向上により、持続可能な消費と生産のパターンを確保 価値創造ストーリー1 (2019) |
【製品のリユース・リサイクル】 ・部品再生事業の取り組み |
廃棄物の削減に貢献 | ||
【製品・サービスに関する正確な情報提供】 ・リコール情報などの迅速な開示 ・サプライチェーン上のリスク防止(主に調達関係) |
持続可能な消費と生産のパターンを確保 | ||
【品質の向上】 ・世界同一品質「Made by Hitachi」の実現 ・中古車流通の強化 ・差別化技術の開発 |
安全性・品質の確保で持続可能な消費と生産のパターンを確保し、製品のライフサイクルを通じた環境影響を最小化する
※「差別化技術の開発」はSDGs目標9にも関連性あり |
||
![]() |
気候変動およびその影響を軽減するための緊急対策を講じる | 【クリーン技術、環境配慮技術の開発】 ・建設機械のハイブリッド化 ・建設機械の電動化 |
低炭素技術を備えた製品の開発・実用化で、気候変動リスクの低減に寄与 価値創造ストーリー3 (2019) |
【気候変動リスクへの対応】 ・太陽光発電の導入 ・インターナルカーボンプライシングの導入 ・水資源の保全 ・生物多様性への配慮 |
再生可能エネルギーの使用や省エネ設備の導入などを通じて、地球環境問題の解決に貢献
※「太陽光発電の導入」はSDGs目標7、「水資源の保全」はSDGs目標6、「生物多様性への配慮」はSDGs目標15にも関連性あり |
||
![]() |
持続可能な開発のための実施手段を強化し、グローバル・パートナーシップを活性化する | 【外部組織との協働による地域コミュニティの開発支援】 ・中国の日立建機希望小学校への支援 ・中国のホルチン砂漠の緑化活動 ・インドの「ものづくり技能移転推進プログラム」 ・カンボジアの自立支援 |
グローバル・パートナーシップによるイノベーションの活性化に貢献 |
【バリューチェーン全体でのCSR推進】 ・サプライヤーに対する公正な調達の推進 ・グローバルな技術継承や移転 |
グローバル・パートナーシップが活性化 |