日立建機

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トップメッセージ

写真:トップメッセージ

お客様と社会の持続的な発展に貢献

日立建機グループは、世界中の各国・地域のさまざまな現場でお客様や社会のニーズに合った製品・サービスの提供を通じて、社会インフラの整備や資源開発に寄与している企業グループです。製品・サービスの提供を通じてお客様の現場の安全性や生産性の向上、ライフサイクルコスト低減などのお役に立つのは当然のこと、私どもの製品・サービスを使っていただく中で環境負荷の低減を図ることも大変重要です。これまでの建設機械の進化の過程と、産業や経済の発展の歴史を振り返っても、私どもの提供する価値とは、社会の持続的な発展にいかに役立つかであり、それこそが当社グループの存在意義、そして、使命だと認識しています。
「2020 VISION」では、変化の著しい建設機械市場において、日立建機グループが提供する製品・サービスを各国・地域のお客様から選んでいただけるグローバルカンパニーをめざしています。現在は、このビジョン達成に向けた第2ステップとして、中期経営計画「GROW TOGETHER 2016」を掲げ、成長の土台づくりを進めています。
2015年度の事業環境を見ますと、中国経済の減速や資源価格の大幅な下落により、2013年度に立てた計画の前提は大きく変わっていますが、こうした状況だからこそ、開発マーケティング、販売マーケティング、マイニング事業、部品・サービスの事業、SCM改革とモノづくり力、それぞれの強化を図り、バリューチェーン全体を強くしていくことが重要だと考えています。
私どもの扱う建設機械は、先進国、新興国を問わず、世界中で稼働していますが、製品ライフサイクルが非常に長いという特徴があります。研究開発から生産、販売、アフターサービス、部品の再生、中古再販に至るライフサイクルの中で、お客様とコミュニケーションしながら、環境負荷の低減と安全性および生産性の向上、ライフサイクルコスト低減につながる製品・サービスの開発・提供に注力しています。
また、社会インフラの整備、資源開発といった場面では、常に安全かつ安定的な機械の稼働が重要ですが、これの実現のために、ICTを駆使した「Global e-Service」を用いて、機械の稼働状況、稼働履歴、修理履歴、お客様情報の一元管理を行い、突発的な故障やダウンタイムロスの低減を図るさまざまなサービスを提供しています。
つまり、私どもの製品・サービスの価値向上は、お客様の事業価値向上に直結しており、結果的には社会の価値創造に寄与するのです。

図:2020VISION

事業と社会の関連性を示すマテリアリティを特定

このように、私どものビジネスのあり方と環境や社会に影響を及ぼす価値の関係については以前から認識していましたが、2015年度は、CSRの重点テーマの抽出に際して、改めてこれらの整理を行いました。事業を通じたCSV(Creating Shared Value)へのアプローチとして掲げた3つは「グローバル環境課題の解決」、「社会基盤を支える現場力の強化」、「コミュニティの発展への貢献」です。そして、私どもの事業活動の基盤を支えていくのは、従業員の労働安全やダイバーシティへの取り組み、さらにはガバナンスであり、その重要性も改めて認識し、それらについても取り組み強化を進めてまいります。
今回、マテリアリティ特定のプロセスを経たことで、社内において、自社の事業と社会課題との関係性が再確認され、共通認識を持つことができたことは非常に有意義であり、今後の事業方針展開に手応えを感じました。

持続可能な開発に向けたグローバル環境課題の解決

昨年は、国連でのSDGs※1合意、COP21※2でのパリ協定採択など、グローバルにおける社会課題の解決に向けた取り組みの方向性が示されました。私どもの製品・サービスは、社会インフラ構築のために使う機械・システムであり、各地のお客様の作業環境やニーズを的確に把握した上で最適な製品・サービスを提案し、現場が安全に効率よく、余分な環境負荷をかけずにインフラづくりを行う手助けをするものです。ハイブリッド油圧ショベルや国内初の中型ハイブリッドホイールローダをはじめとする低炭素化に貢献する製品の開発など、私どもの事業のあり方は、持続可能な開発と環境保全につながるものであると認識しています。同時に、機械を安定的に、効率よく使い、エネルギー消費やオペレーションコストをいかに下げるかも重要なテーマであり、世界で稼働する機械を見守るサービスメニュー「ConSite(コンサイト)」も、すでにグローバルで3万台以上の機械に提供しています。

※1 SDGs
Sustainable Development Goals= 持続可能な開発目標。2015年を期限としたMDGs(ミレニアム開発目標)を継承、発展させたもので、2015年9月に「持続可能な開発のための2030 アジェンダ」として国連総会で採択された。先進国、開発途上国に対する具体的な行動指針で、貧困、飢餓、差別、気候変動、生物多様性などに関する責務を示している。
※2 COP21
2015年11月30日からフランス・パリで開催された気候変動枠組条約第21回締約国会議。京都議定書が失効する2020年以降の枠組である「パリ協定」が世界196の国と地域によって採択された。開発途上国も含めて温室効果ガス削減を約束するのは初めてとなる。

強靭な社会基盤づくりを支える現場力の強化

また、国内に目を向けますと、社会を支えるインフラや建物の老朽化があり、加えて、建設業では、少子高齢化による働き手の不足や熟練者の減少により、社会全体の生産性低下が大きな課題となっています。これらの対策として、国土交通省では「i-Construction※3」、つまり、土木建設工事全体の施工プロセスを最適化し、生産性を高める取り組みが始まっていますが、私どもは三次元データを読み込むことで、従来、複雑だった操作を半自動で簡単に終える「マシンコントロール」機能を搭載したICT 油圧ショベルを市場導入する予定です。また、マイニングの現場で無人ダンプトラックを活用することで、転落や追突などの事故被害を減らそうという技術開発も進めています。開発中のさまざまな技術が実用化されれば「i-Construction」の実現はそう遠くはないでしょう。
そもそも、建設機械は広い意味での「ロボット」といえる面があり、「ひと」に代わって何倍もの労働をしたり、危険な場所で作業を進めたりという役割を果たしています。東日本大震災の復旧に関しても、現場に適応し、お役に立てる機械やサービスを開発し、提供してきましたが、このように労働力不足や安全など「ひと」に関するさまざまな課題を、日立グループとオープンイノベーションを駆使し、明日の「つくる」を最適化するICTソリューションで解決していきたいと考えています。

※3 i-Construction
ICTを活用して土木・建設現場の生産性と効率を向上させ、企業の経営環境の改善を通して、建設現場に携わる人の賃金水準の向上と安全性の確保を推進する、国土交通省の取り組み。2015年12月、i-Construction委員会が発足し、建設機械や測量へのICT導入と併せて、規格の標準化、年間の施工時期の平準化などの基本方針が示された。

未開拓の現場力を発掘し、コミュニティの発展に貢献

機械やシステムを進化させる一方で、「ひと」に直接、アプローチする方法にも取り組んでいます。まず、「つくる」ことに関しては、世界35ヵ所の工場で「Made by Hitachi」に取り組み、世界統一品質をめざしています。その一環として、工場ごとの品質診断、溶接や機械加工、塗装など技能認定を実施するとともに、技能競技会も毎年開催しています。日本でも中国でもインドでも、各地のサプライヤー様と一体となってグループのモノづくりのレベルを育てています。
また、持続可能な開発へのニーズは世界的に高まっており、あらゆるコミュニティで、将来を見据えた開発を後押ししていくことも当社グループの大きな使命です。新興国では、機械を「つかう」現場の条件は非常にさまざまであり、オペレータのレベルも大きく異なっています。アフターサービスへの意識も各国・地域で異なるため、現地に合わせて当社グループ標準のサービスに関する教育を実施しています。そして、それを支えるのが、機械1台1台に搭載したGPSやセンサーです。これをネットワークで管理する「Global e-Service」に機能を追加した「ConSite」が、不具合情報をお客様と最寄りのサービス拠点にメールで自動的に送付し、お客様の現場との即時性のあるコンタクトを実現しています。

「One Hitachi」の総力でより高いところに挑戦

「2020 VISION」の実現には、自社の製品や技術に磨きをかけてお客様に提供するだけでなく、いかにハードとソフトを組み合わせたソリューションとして提供できるかが重要です。環境面で低炭素な製品を提供することはもちろん、施工プロセス全体で効率的な低炭素化を図るICT建機やダンプトラックの無人運転などのソリューションの提供も必要になります。マイニング業界では、掘って運んできた鉱物を粉砕し、鉄道で港まで運びますが、発電や水処理といった工程も不可欠であり、日立グループの幅広い事業によってさまざまな製品・サービスを提供することは、お客様のより深いニーズに応える上で差別化の鍵となります。お客様のオペレーションコストの低減につなげ、結果として安全や環境負荷低減にもつながり、こうしたさらなる貢献度を高めていく上で「One Hitachi」の力が意味をもってきます。さまざまな業種のお客様の事業課題の解決につながるソリューションの提供には、日立グループとの協創に加え、オープンイノベーションで取り組むことが今後の成長の大きな柱になると考えています。
そして、私たち日立建機の「Kenkijin スピリット」には、「Challenge」「Customer」「Communication」の3つの思想が貫かれています。地球上のどこでもこの思想を体現するため、グループ一丸となって突き進んでまいります。