CSVテーマ1 グローバル環境課題の解決

気候変動をはじめとする地球環境問題は、人類の生存基盤を揺るがす可能性のある極めて重要な課題です。その解決や適応のためには立場を超えた世界的な取り組みが不可欠であり、特に企業の果たす役割には大きな期待がかけられています。日立建機グループは、製品のライフサイクル全体での環境負荷の低減を推進するとともに、ICTやIoT、オープンイノベーションを通じて、お客様や社会に環境配慮型のソリューションを提供していきます。

目標

CSV目標 基準年 2030年低減率 2017年度進捗率
・製品によるCO2抑制 2010年 33% 46%
・ハイブリッド油圧ショベルの燃費低減 2010年 50% 80%
・生産でのエネルギー原単位改善率 2005年 40% 65%
・生産での廃棄物原単位改善率 2005年 40% 83%
・生産での水資源改善率 2005年 50% 86%

重点取り組み

  • 製造プロセスの環境負荷低減
  • 環境配慮製品、低炭素建機、解体・リサイクル機の開発・提供
  • ICT・IoT技術の活用
  • 災害復旧、減災への適応
  • 環境配慮型の鉱山運営ソリューション
  • グリーンインフラソリューション

2017年度の主な活動進捗

クリーン技術、環境配慮技術の開発 世界の温室効果ガスの排出量は増加の一途をたどり、現在では1990年と比較して50%以上も増加しています。日立建機グループは、ハイブリッド化、電動化などの低炭素技術を備えた、建設機械の開発・実用化を進めています。 GOAL13
製品のリユース・リサイクル 地球上の有限な資源を持続的に管理し、効率的に利用することが世界的に求められています。日立建機グループは、製品リサイクルの技術開発などを通じて、部品の再利用や再生といった効率的な資源活用を積極的に推進しています。 GOAL12
水リスクや生物多様性への対応 水資源や生態系を守ることは、自然資本の恩恵を受けている企業にとっての責務です。日立建機グループでは、各地の生産拠点が中心となり、水資源の持続的な利用と、生物多様性を守る活動を推進しています。 GOAL6 GOAL15

今後の取り組み

2017年度は、2030年までに製品によるCO2排出量を33%抑制(2010年比)させる目標に対して、新型ハイブリッド油圧ショベルなど、環境に配慮した建設機械の提供を通して、46%の進捗率を達成しました。今後も「つくる」「つかう」「挑む」の3つの全領域で環境負荷を低減することはもちろん、環境配慮技術の開発などを通じて地球環境問題の解決に積極的に貢献していきます。

生産工場での電力使用量削減の取り組み

日立建機ではエネルギー生産性の向上を目的に付加価値ある効率的なエネルギー利用を求め、未利用エネルギーの有効活用、待機電力の削減、インバータ化、LED照明への切り替えなどの省エネ活動を行ってきました。
生産工場における待機電力の削減については、日立製作所と共同開発した電力監視システム「EMilia(エミリア)」を導入したことで、より現場ニーズにマッチした電力の把握・分析が可能になり、効率的なエネルギー使用を図っています。EMiliaは、多拠点における設備単位の電力情報をリアルタイムで「見える化」し、将来の設備運用方法やエネルギー生産性を重視した分析・診断が可能です。このシステムを活用し、各設備の省エネ機能におけるエネルギー使用の標準化、電源遮断管理の組み合わせにより、待機電力の削減に取り組んでいます。また、効率的なエネルギー使用を実現することから、業務の高効率化にもつがなっています。
2017年度はEMiliaの海外展開にも注力しました。日立建機(中国)では、EMiliaで集めたデータを「切り忘れによる待機電力」や「勤務切り替時の待機電力」など、電力の特性を分析することで自律的な省エネ管理パターンを構築。待機電力ゼロをめざしています。

EMiliaを使った省エネ連絡会議

EMiliaを使った省エネ連絡会議

KCM播州工場での取り組み

KCM播州工場では、これまで熱処理加工の「ソルト焼き入れ※」において、ソルト(硝酸塩)が熱を失い固まるのを防ぐためソルト槽を保温し続けていましたが、2017年度からは、加熱と停止を最適化する取り組みを始めました。これにより、工場全体の電力の約1%に当たる、年間135MWhの待機電力を削減しました。

※ソルト焼き入れ:硝酸塩などを溶かした槽(ソルトパス)に成形品を浸けて加熱や冷却を行う熱処理のこと。

KCM播州工場のソルト槽

KCM播州工場のソルト槽

ハイブリッド油圧ショベル「ZH200-6」を発売

日立建機グループでは、2011年に初代「ZH200-A」を発売して以来、環境負荷の低減に貢献するため、次世代につながるハイブリッド油圧ショベルを開発してきました。
2017年9月に日本国内向けに発売を開始した新型ハイブリッド油圧ショベル「ZH200-6」は、これまで培ってきた日立建機の自社技術に、One Hitachiの取り組みやオープンイノベーションによる技術を融合させて開発した「TRIAS-HXⅡシステム」を搭載しています。このシステムでは、車体性能を最大限に引き出すため、エンジン、アシスト発電モータ、リチウムイオンバッテリ、PCU(パワーコントロールユニット)や旋回電動モータで構成されるハイブリッドシステムと、油圧システムを統合的に制御し、操作性を維持しながら高い燃費性能を実現。豊田自動織機と共同開発したモータ一体型の新型ハイブリッドエンジン、日立オートモティブシステムズと共同開発したリチウムイオンバッテリなど、自動車・産業車両分野の技術を融合させることで、従来機であるハイブリッド油圧ショベル「ZH200-5B」と比較して約12%の燃費低減を実現しました。

ハイブリッド油圧ショベル「ZH200-6」

ハイブリッド油圧ショベル「ZH200-6」

部品再生事業における環境への貢献

過酷な現場で使用される建設機械は部品交換が必要不可欠です。建設機械の重量の8~9割は「鉄」で構成されていますが、これまでユニットに不具合が発生した際、新品ユニットと交換するしか選択肢がなかった時代においては、使用済みユニットはスクラップ扱いされ、溶解処理後にリサイクルされてきました。しかし、スクラップ扱いではなく、修理をして繰り返し使うことができるようになれば、お客様のランニングコストを抑えるとともに、さらなる省エネや省資源につなげることができます。このような顧客ニーズと社会課題への貢献にマッチする形で生まれたのが「部品再生事業」です。
部品再生事業では、お客様から回収した使用済みユニットの機能を復元し、新たに再生ユニットとして市場に再投入します。再生部品をもとにユニットをつくり、新品と同等の機能保証を付与するため、中古ユニットや修理品などとは根本的に異なり、3R(リデュース、リユース、リサイクル)の中でも「リサイクル」から特に優先順位の高い「リユース」へ移行することのできる循環型の事業であるといえます。
最も大きな再生ユニットはダンプトラックの走行減速機で、その重量は約12トンあります。これは、軽自動車12~13台分の重さに相当するため、大きな省資源・廃棄物削減の効果が期待できます。日立建機では、そのほか多くのユニットを再生する技術を保有しており、世界12拠点で約2,900トン/年の廃棄物削減効果があります。

再生品サービスと修理品サービスの違い

水資源保全への取り組み

日立建機グループでは、事業活動の中で水ストレスレベルの高い地域を特定するために、世界資源研究所(WRI)が発表した「AQUEDUCT(アキダクト)」ツールを用いて、国内外すべての生産拠点の水ストレスレベルを定量化し、水ストレスの高い地域を特定しています。
特に水リスクが高い、インドのタタ日立社、日立建機インドネシア、琵琶湖近辺の日立建機ティエラでは、先進的な節水活動を展開しています。
例えばタタ日立社では、水不足に備えるための取り組みとして、自治体や教育機関と協働で湖の浚渫工事※を行っています。タタ日立社の工場があるダルワッドにて、自社の油圧ショベルを使って湖に溜まる沈泥を取り除き、雨水が溜まりやすくしています。
貯水量増加により地域住民が使える生活水が増え、整備された湖畔は鳥が集う憩いの場所となりました。地域住民と自治体からは、生活の質が改善したと感謝の手紙が届きました。

※ 浚渫工事:港湾や河川の水底をさらって、土砂などを取り除くこと。

タタ日立社による浚渫工事の様子

タタ日立社による浚渫工事の様子

生物多様性を守るためのアクション「にじゅうまる宣言」

「にじゅうまる宣言」とは、国際自然保護連合日本委員会(IUCN-J)が考案した「にじゅうまるプロジェクト」において、生物多様性の損失を止めるための活動に取り組んでいることを宣言(活動を登録)することです。「にじゅうまるプロジェクト」では、生物多様性条約第10回締約国会議(COP10)の成果である「愛知目標(愛知ターゲット)」に向けて、企業や自治体などが自分たちのできることを宣言し、登録する取り組みが行われています。
日立建機グループでは、環境ビジョンの中で「自然共生社会」を掲げており、生物多様性を守るためのアクションとして「にじゅうまる宣言」を行っています。これまで、日立建機が目標1、17について登録・宣言をしていましたが、2017年度には新たに多田機工が目標1、5、7、14、17、日立建機ティエラが目標1、4、5、7、9、10、15、17、日立建機(上海)と日立建機(中国)※が目標1、4、5、7、14、15、17について宣言を行いました。
多田機工の第二工場は、千葉県の「豊富どんぐりの森」に隣接していて、従業員ボランティアが2012年から毎年、下草刈り・間伐など、この森の里山保全活動に参加しています。また、滋賀県の日立建機ティエラでは、ビオトープ(生物群が生息できる場所)の設置、琵琶湖での外来種駆除活動への参加、廃食油を回収し精製後に場内で活用するなど、さまざまな環境への取り組みを行っています。
今後も企業として生態系について考え、保全につながる活動を推進していきます。

中国のホルチン砂漠で行っている緑化活動はこちら

愛知ターゲット20の目標

化学物質の管理

日立建機グループでは、製品と生産活動の両面から有害な化学物質の使用を禁止・削減することを推進しています。削減が困難な化学物質については、大気や水域、土壌などへの排出抑制と汚染防止に努めています。
日立建機(中国)では2017年12月、活性炭フィルター装置とRCO装置(VOCガス浄化・脱臭装置)の組み合わせにより、75%以上のVOC処理効果が期待できる設備が新たに完成しました。この処理設備は、2018年度から運用を開始しています。さらに2018年度下期には、この設備とは別に、ゼオライト吸着・濃縮装置とRTO装置(蓄熱式脱臭装置)の組み合わせにより、90%以上のVOC処理効果が期待できる処理設備を設置する予定です。

日立建機(中国)のVOCガス浄化・脱臭装置設備

日立建機(中国)のVOCガス浄化・脱臭装置設備

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