CSVテーマ2 社会基盤を支える現場力の強化

産業の発展を促し豊かな生活を支えるインフラ整備や、安定したエネルギーの供給をもたらすための資源開発は、国や地域を問わず、持続可能な社会を構築するための大切な基盤です。日立建機グループでは、建設機械の遠隔管理技術や無人化施工技術など、さまざまな先端技術を生かし、労働人口不足や熟練技術者不足といった現場が抱えるさまざまな課題に立ち向かっていきます。

目標

  • ICT・IoT技術を生かし、お客様の現場における生産性向上に貢献する
  • お客様の機械の稼働率を高め、ライフサイクルコストを低減する
  • 機械の安全性を高め、現場の労働災害の防止に貢献する
  • 機械・システムの高度化により、熟練技術者不足の課題解決に貢献する

重点取り組み

  • マイニングプロセス・運営を最適化するソリューションの提供
  • 機械の安定稼働とライフサイクルコストの低減
  • 施工効率の向上の機械・システムの普及
  • 無人化・ロボット化技術の進化による省力化機械の開発・提供

2017年度の主な活動進捗

安全で生産的な労働環境の実現 ヒューマンエラーと事故リスクを減らす技術への投資などを通じて、安全で生産的な労働環境を実現することは、働きがいのある雇用を促進する上で欠かせません。日立建機グループでは、異なるスキルを持つ技術者でも安全な機械操作が行える技術の提供などを通じて、生産的な労働環境の実現に貢献しています。 GOAL8
新たな価値を生み出す革新的な技術開発 革新的な技術開発による資源利用効率の向上や、環境に配慮した技術の導入などにより、産業の構造そのものを変革することが求められています。日立建機グループでは、日立グループの総合力を生かした技術力を基盤に、こうした社会からの要請に応えています。 GOAL9
レジリエントなインフラの構築 SDGsでは2030年までに各国・地球規模の開発計画の強化を通じて、自然災害による死者や被災者数を大幅に削減することをめざしています。日立建機グループでは、より高効率な製品・サービスの提供を通じて、河川や道路など社会インフラの整備に貢献しています。 GOAL11

今後の取り組み

2017年度は、安全性向上、生産性向上、ライフサイクルコスト低減など、現場のさまざまな課題の解決につなげるために、新製品や新たなICT・IoTソリューションの提供を行ってきました。今後も継続して現場のさまざまな課題の解決に貢献するとともに、特に鉱山現場におけるダンプトラックの自律走行システムの商用化に向けた検証や、現場運営の最適化に貢献するソリューションの進化に取り組んでいきます。

ダンプトラック自律走行システムの商用化に向けて

ダンプトラックが稼働する鉱山の採掘現場では、労働者の安全確保が大きな課題のひとつです。また、安全性を確保しながら、鉱山運営の全体最適化による生産性の向上、ランニングコストの低減といった効率化も求められます。このような課題を解決する手段のひとつとして、日立建機のダンプトラック自律走行システム「AHS(Autonomous Haulage System)」があります。
AHSは、露天掘り鉱山※において最も人員を要するダンプトラックを無人化し、管制システムで統括管理するシステムです。人為的ミスを減らして安全性を向上させるとともに、人件費の抑制、稼働時間の拡大、燃費の低減など経済的なメリットも見込めます。日立建機のAHSには、閉塞制御技術など、日立製作所の鉄道運行管理技術やノウハウが応用されています。閉塞制御では、ダンプトラックが自律走行する経路を複数の区間に分け、1区間に1台の走行許可を与えます。許可区間内は管制システムと通信せずに自律走行し、次の区間が近づいた時だけ通信し、新たな区間の走行許可を受けるもので、その間の通信量が抑制されます。従来からの課題であった通信量による制御台数の制約を解決し、より多くの車両台数の制御が可能となっています。
2017年度は、オーストラリアの試験サイトで商用化に向けた実証試験を実施しました。2018年度は、お客様の現場においてユーザーテストを行い、2019年度の商用化に向けて検証を進めていく予定です。

※ 露天掘り鉱山:坑道を掘らずに地表からすり鉢状に掘り進める採掘手法。

2019年度の商用化に向けて実証試験を展開中

2019年度の商用化に向けて実証試験を展開中

ICT施工の中核を担う油圧ショベル「ZX200X-6」を発売

日立建機では2018年1月、ICT施工ソリューションの中核を担う、ZAXIS-6シリーズの新型ICT油圧ショベル「ZX200X-6」を国内向けに販売開始しました。本製品は、車体と施工目標の位置関係・姿勢情報などを示すマシンガイダンス機能や、施工目標データに基づき車体を半自動制御するマシンコントロール機能を備えた、日立建機独自のICT施工対応システム「Solution Linkage Assist(ソリューション・リンケージ・アシスト)」を搭載しています。
ZX200X-6では、マシンコントロールの主要な機能である、バケットが施工目標を掘り過ぎないように制御する「掘り過ぎ防止機能」や、バケット角度を一定に保つ「バケット角度保持モード」によって、正確で効率的な作業を実現。従来機(ZX200X-5B)と比べて、仕上げ精度を向上させ、さらにスピードアップしたことで作業量を約35%向上させました。
また、2D仕様も用意し、小規模な工事や測位衛星を捕捉できないような施工現場においても生産性を大きく引き上げます。さらに、3D機能専用機器を装備することで、2D仕様から3D仕様へのアップグレードも容易になっており、さまざまな地域・分野での活躍が期待されます。

ZX200X-6

ZX200X-6

施工現場の見える化を実現する「Solution Linkage Mobile」

建設業に携わるお客様の施工現場における安全性や生産性の向上に貢献する「Solution Linkage」のICT施工向けソリューションのひとつとして、施工現場の見える化、進捗管理、接近通知の機能を持つ「Solution Linkage Mobile(ソリューション・リンケージ・モバイル)」を開発し、2018年4月より国内向けに提供を開始しました。
Solution Linkage Mobileは、「もっと手軽に現場をIoT化」をコンセプトとしており、スマートフォンなどのモバイル端末を活用することで、機械と人がつながる現場を実現します。例えば、施工現場の建設機械やダンプトラックにモバイル端末を搭載し、アプリケーションを通じて位置情報をクラウドにアップロードすることで、それぞれの位置が地図上に表示されます。従来、現場管理者は電話などで状況を確認した後、作業の段取りを検討していましたが、「施工現場の見える化」によって機械や人の位置をリアルタイムで把握することができるようになり、作業の効率化を図ることができます。
お客様の協力を得て行った実証では、施工現場の生産性が約10%向上すると評価されています。また、機械の稼働状況・不具合情報をタイムリーに伝える「ConSite」と連携することで、さらなる生産性の向上が期待されます。

Solution Linkage Mobile

Solution Linkage Mobileの地図画面。GPS受発信機に紐付けされた機械や作業員の位置情報や一覧がアイコンで表示される。

ICT施工や各種ソリューションを体験できる「ICTデモサイト」の活用

日立建機グループは、国土交通省が推進するi-Constructionの理解と、ICT施工の施工プロセスを実感していただくことを目的とした施設「日立建機ICTデモサイト」を運営しています。
2016年10月に日立建機常陸那珂工場内に開設したこの施設では、UAV(Unmanned Aerial Vehicle:無人航空機)やレーザスキャナによる測量をはじめ、ICT建機の機能や技術説明、3次元データ作成ソフトまで、デモンストレーションや講習・研修を通して、i-Constructionへの理解を深め、ビジネスパートナー企業の最新技術を活用した、さまざまなソリューションに触れることができます。2017年度は、約1,400名のお客様に来場いただきました。
さらに2018年4月には、日立建機日本が香川県善通寺市の四国支店内に、2拠点目となる「日立建機 香川ICTデモサイト」を新設しました。日立建機グループはこれら2つの拠点の活用を通じて、従来の工程を大幅に短縮し、安全性と生産性の向上につながるICT施工への理解をお客様に深めていただくことで、最適なソリューションの提案につなげていきます。

ICT建機によるデモンストレーション

ICT建機によるデモンストレーション

お客様への講習

お客様への講習

ConSiteのアプリケーションをグローバルに提供開始

「ConSite」は、油圧ショベルなど建設機械の稼働状況や位置情報を遠隔管理するGlobal e-Serviceのシステムを活用し、定期的にレポートを配信することで、お客様の機械の稼働効率の向上、安定稼働、効率的な運用をサポートする情報サービスです。2014年のサービス展開以来、世界各地の施工現場で支持をいただき、ConSiteの定期レポートは2018年3月末現在、113カ国33言語に翻訳され、契約台数は82,431台まで増加しています。
2017年度は、これまでe-mailで発信してきたConSiteの情報を、スマートフォンやタブレット端末で確認できるアプリケーション「ConSite Pocket(コンサイト・ポケット)」の提供を開始しました。ConSiteのデータレポートをいつでもどこでも確認できるとともに、プッシュ通知機能によって発信されるアラームに瞬時に気付くことができます。また、代理店のメカニック担当者が点検レポートを作成する際に、スマートフォンのカメラ撮影とコメント入力のみで生成できるアプリケーション「ConSite Shot(コンサイト・ショット)」の提供を開始しました。お客様は写真付きの点検レポートによる修理提案を通じて、機械の状態をより正確に把握することができるようになります。
これら2つのアプリケーションの追加により、ConSiteの利便性がさらに向上しました。2018年2月からはグローバルでの提供を開始しており、お客様への提案レベルを向上させていく狙いです。

「ConSite Pocket」(左)と「ConSite Shot」(右)の画面

「ConSite Pocket」(左)と「ConSite Shot」(右)の画面

建設機械の健康状態を24時間見守る「ConSite OIL」

日立建機では2017年10月、「ConSite」の自動レポートシステムを活用した新たなソリューションとして、稼働するエンジンオイルや作動油の状況などを24時間モニタリングし、お客様と代理店のサービススタッフなどに自動で知らせる「ConSite OIL(コンサイト・オイル)」を、全世界に先駆けて欧州で提供を開始しました。
建設機械はエンジンオイルや作業油などのオイルを分析することで、オイル自体の状態のみならず、部品やコンポーネントの状態や不具合など、機械の「健康状態」を把握することができます。直接機械からオイルを抜き取り、分析にかけることで状態把握を行うのが一般的ですが、ConSite OILでは、センサを用いて常時オイルの状態を監視します。温度、動粘度、密度、誘電率などの指標をもとに、オイルの劣化や汚染などのデータをGlobal e-Serviceによって解析し、オイルの異常値を検知した際には、代理店スタッフからお客様へ適切なメンテナンスや修理、部品交換を迅速に提案します。
ConSite OILの導入により、お客様が所有する機械に発生する故障の予兆検知率は20%から37%にまで高まりました。日立建機では、ConSite OILに続く新たなConSiteサービスの開発を進め、最終的に予兆検知率を90%に引き上げることを目標にしています。

ConSite OILの分析レポート

自動作成されるConSite OILの分析レポート。ConSiteが提供してきた稼働状況レポートとセットにすることで、使い方との因果関係が明らかになる。

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